中華麺の加水率 ~地域による違いがあるのはなぜか~

ラーメン屋を開業する方が増えています。それだけ競争が激しい業種となるのですが、客足を確保するためには、まずは一度、来店してもらうことが重要になってきます。そして、そのお客さんにリピーターになってもらうためには、常に新しい試みを行うことが必要です。そこで必要となるのが、オリジナルスープと、それに絡む麺の研究です。今回は、中華麺の加水率がどのように影響してくるのかを見ていきましょう。

■中華麺における加水率の復習

製麺において、重要となる加水率ですが、なぜ重要視されているのでしょうか。それは、スープとの相性があるからです。

麺を作る際に小麦粉100に対する水の比率を加水率というのは、読んで字のごとくです。一般的な加水率は30~35%で、これを超えると「多加水麺」下回ると「低加水麺」となります。

麺の延びやすさからいうと、麺自体に水分が少ない低加水麺の方が、スープを吸収しやすいため延びやすい傾向にあります。しかし、スープを吸収しやすいということは、絡みが良いということになります。

一方、多加水麺に関しては、あらかじめ水分を含んでいるため麺の伸びにくさは低加水麺よりはないのですが、スープの絡みは劣ります。そのような性質上、麺自体を太くし、ウェーブをかけるのです。

■地域ごとに加水率が変わる

ここ最近は様々なチェーン店の進出などにより変わってきたことはあるものの、まだまだ地域によっての味や傾向の違いは結構あるものです。例えばご当地ラーメンですが、スープが変わることによって麺の加水率も差があるものです。
では、地域ごとによって異なる加水率の状況を、見てみましょう。

旭川ラーメン:低下水(約26%~30%)
札幌ラーメン:多加水(約35%~40%)
横浜家系ラーメン:一般的(約28%~30%)
京都ラーメン:一般的(約30%~32%)
博多ラーメン:低下水(約26%~28%)

このように加水率で見ていくと、地域色がよく表れているといえるでしょう。関東の人から見ると、九州のラーメンの麺は粉っぽいという意見がありますが、それは、九州ならではのスープに合うよう、水分の少ない低加水の麺を使用しているからです。

■まとめ

中華麺の加水率に地域色が現れるのは、その地域ならではのスープの存在があってことでしょう。しかし、麺はデリケートです。季節や天候によって微妙な調整が必要となってくることから、知識と経験が大きく関係してきます。

菅野製麺所ではスープに合わせてオリジナルの麺を提供することも可能です。少量注文にも対応しておりますので、まずはサンプルからお試しください。開業を考えている、新しいメニューを考えているというオーナー様と共に、麺を追求していきます。
株式会社菅野製麺所とカンノの麺をよろしくお願い致します。
公式サイト
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