中華麺の粉の分類と食感の違い

日本人がこよなく愛す中華麺は、小麦粉の種類によって様々な用途に分類されているのをご存知でしょうか。中華麺の粉の役割は、食感の違いにつながっています。これをふまえて、粉の分類を成分の違いから探求していきましょう。

中華麺で使用される粉の分類について

麺類と呼ばれている多くの原材料は、小麦粉で作られています。中華麺だけでなく、それぞれの料理にあわせた粉を使用しているのです。

1.原産国はどこ?
日本国産の小麦粉使用量は1割程度で、ほとんどが外国からの輸入品が使用されております。輸入品の主要国は、アメリカが5割強で、カナダとオーストラリアで2割程度を占めており、この3カ国で日本の小麦粉の需要を補っているのです。また、パスタの原材料である、デュラム小麦は本場イタリアに習って使用しています。

2.小麦粉の特性
小麦粉のほとんどは、炭水化物であるデンプン質によって構成されており、全体の70%ほどにあたります。他には10%前後のタンパク質が含まれており、これが麺類の特徴をつかさどっているグルテニアンやグルアジンの成分をなしています。

この成分の特徴が、水でこねると弾力や粘りを作り出すグルテンへと変化するのです。グルテンの特徴を生かす事で中華麺だけでなく、パンやパスタなどの様々な料理に使い分けられています。

3.小麦粉の粒の成分量
小麦粉の分類法は、小麦粉の粒の硬さによって区別されています。硬い粒の事を「硬質小麦」と呼び、中間程度の硬さを「中間質小麦」としており、軟らかい粒を「軟質小麦」として分類しています。

この小麦の粒の硬さが、タンパク質の量に比例する事で、小麦粉の特徴を分ける決め手になっています。「硬質小麦」から作る小麦粉を「強力粉」と呼び、「中間質小麦」から作る小麦粉を「中力粉」と呼び、「軟質小麦」は「薄力粉」として作られています。

4.小麦粉には等級がある
小麦粉に含まれる灰分(はいぶん)の特徴としては、小麦粉を燃やす事によって、タンパク質やデンプンなどは燃え尽きて消滅するのですが、その中で燃えずに残った成分が灰分となります。

灰分は、ミネラルとなるリン、カリウム、マグネシウム、カルシウム、鉄などを含んでいます。灰分量が多いとくすんだ灰白色で、少ない場合にはすっきりと冴えた色になります。

粉砕した小麦粒を粉の状態でふるいにかけて、灰分量が少ない小麦の中心部分は、純度の高い小麦として等級で分けます。灰分の含有量から、一等粉(0.3~0.4%)、二等粉(0.5%前後)、三等粉(1.0%前後)、末粉(2~3%)と分類しているのです。

細かくなった粒度は「小麦粉」と呼び、粒度が粗くなると「セモリナ」と呼び、ふるいにかけていない粉砕しただけの粉を「全粒粉」として区別しています。

小麦粉の分類別の用途

1.薄力粉について
軟質小麦を原料とした薄力粉は、タンパク質の割合は4つの中で最も少ないので、グルテンによる粘りが少なくサクサクと歯触りが軽い食感で、ケーキやてんぷら唐揚げなどに使用されます。

2.中力粉について
中間質小麦と軟質小麦から作られた小麦粉で、一般的には流通されていない商品です。特徴は薄力粉と強力粉の中間にあたり、粘性や弾力もほどほどになっています。主に「うどん粉」の材料になっています。お好み焼きや生パスタに使用されています。

3.中華麺には準強力粉
準強力粉は、強力粉に比べるとタンパク質の量がやや少なくミネラル分が多い特徴があり、フランスパン専用としても扱われています。中華麺に向いているのは、灰分量の歯触りとタンパク分に適したバランスなのです。
※例外として薄力粉1に対して強力粉3の割合で中華麺を作る場合もあります。

4.強力粉について
粘性や弾力が強い特徴のグルテンを多く含み、硬質小麦が「パンコムギ」と呼ぶ事で「Bread flour」と表示されます。パスタや餃子の皮、ピザ生地に使用されます。

まとめ

中華麺の粉の役割は、グルテンが持つ食感と灰分量による滑らかさのバランスをとる為に、強力粉と中力粉の中間の性質が丁度良いとされているのです。つまり、製麺所による麺作りには、味や食感、見た目と様々な点で「美味しいバランス」を心がけているのです。

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