中華麺を「そばつゆ」で食べるのは非常識!それとも新定番?

中華麺と言えば、ラーメンや焼きそばに使用されるのが一般的と言えるでしょう。コシのある食感と独特の風味が特徴ですが、日本古来の「そばつゆ」との相性はどうでしょうか。今回は、一部の地域で古くから親しまれている「えきそば」や「ざる中華」について解説します。

中華麺の特性

小麦粉にかんすいを混ぜて作られる中華麺は、モチモチとした弾力ある食感と独特の風味が特徴となっています。スープの種類に合わせて麺の形状が異なるのも特徴的で、細めん・太麺・ちぢれ麺などがあります。

中華麺を使った代表的な料理はなんと言ってもラーメンで、世界中に認知された料理と言っても過言ではありません。鶏ガラや豚骨などの動物系スープと油に、醤油や味噌などの調味料が組み合わされる事が多く、店独自のこだわりで個性を出しています。

「そばつゆ」とのマッチング

昆布とかつお節でとった、いわゆる和風だしに、醤油に酒やみりんなどで風味を加えたのが一般的な「そばつゆ」となります。茹でた日本蕎麦やうどんを冷水で洗い、冷やした汁をくぐらせて食す「ざるそば」や「ざるうどん」に添えられ、「めんつゆ」とも呼ばれます。

冷たい中華麺

近年は、全国各地で35度を超える猛暑日が見られるようになりました。そんな中で売り上げを伸ばす「冷やし中華」は中華麺を使った夏の定番です。しかしながら、その酸味が苦手でむせてしまうという方も実は、少なくありません。

そこでおすすめするのが「ざる中華」です。専用の濃厚な汁につける「つけ麺」とは異なり、そばやうどんと同様に「めんつゆ」に中華麺をくぐらせて食す料理です。秋田県や青森県など一部の東北地方では、戦後の食糧不足の頃から存在する、歴史ある料理なのです。

温かいそばつゆ+中華麺

兵庫県の姫路市の「えきそば」は、全国的にイメージされる「駅の立ち食い蕎麦」とは異なります。温かい和風だしに中華麺を組み合わせた料理で、日本蕎麦やうどんと同様に天ぷらや油揚げなどの具材を乗せて提供され、観光客からも人気を集めています。

こちらの発祥も戦後の小麦が貴重だった頃で、1949年からのロングセラー商品として姫路駅の名物グルメとなっています。駅を利用するサラリーマンや学生にとって定番の味となっており、駅構内でなくても「えきそば」として近隣の飲食店で提供されています。

まとめ

今回は、一般的な中華麺のイメージを覆す「そばつゆ」と中華麺の組み合わせを紹介しました。近年の世界情勢の影響による外食自粛や、食材の高騰など、様々な要因の影響を受け続ける飲食業界。