飲食店を開業する上で、経費の取り扱いは売上に影響してきます。だからと言って、利益重視に走っては、経営が成り立たなくなってしまいます。今回は、利益とのバランスを考えた飲食店開業における経費の扱い方についてみていきましょう。
飲食店における経費の内訳
飲食店を開業するにあたり、経費の内容について把握しておきましょう。大きく分けて3つとプラスアルファーです。
【1.家賃の支払い】
場所にもよりますが、市場調査などを通じてターゲットに対して好立地の条件になる場合には、かなり高めの相場が予想されます。自宅を店舗にした場合は、家賃の支払いがありません。しかし、市場調査に反した立地条件の場合は集客に影響があるので、対策をとる必要がでてきます。
【2.材料費の支出】
材料費はターゲットに合わせた客単価を想定するので、メニューの数や組み合わせによってはコストの割合が高くなり、無駄な出費と食品ロスが増える可能性があります。
【3.人件費】
一番経費の割合を占めるのが人件費です。夫婦や家族で開業する場合でも、適正な人件費の割合を考えなければ、実質的に利益が導きにくくなります。家族だからと言って、給与の分の配当を抑えていても正当な利益配分とは言えず、正当な売上ではないので売上が伸びてもどこかに無理が生じてしまいます。人件費の目安としては3割です。
【4.水道光熱費】
固定費用として毎月の出費が必要です。無駄な出費を抑える為に、水道の出しっぱなしや開店前や閉店後の照明類の使用にも気を配る意識が必要です。
売上は経費とのバランスが重要
経費を抑える事とお店の売上を上げる事は、バランスが大事です。材料コストを抑えてしまうと料理に対する評判をおとしかねませんし、人件費を抑えてしまうとサービスがおろそかになってしまい、他店との競合に差がつく事になってします。
材料費に関して、場合によってはターゲットに合わせてメニューを限定する事で無駄な仕入れを抑える事ができ、管理に対して食品ロスを減らす事にもつながります。
さらに客単価を低めに設定して食券制度やセルフサービスを実施する事で、人件費を減らす効果があります。特にラーメン店などは、会計に人出を取られる事がないので有効な手段となります。
家賃対策としては、隠れ家的な飲食店として駅前から離れた不利な条件でもマイナス面をお店の特徴として売り出す事で、安い店舗を借りることができます。しかしその為には、そのような場所でも開業出来る実力と差別化したメニューがないと難しいでしょう。
損益分岐点の把握
経営が黒字なのか赤字なのかは、損益分岐点を理解する事で対策を練る事が出来ます。家賃や水道光熱費を固定費として、人件費や材料費を変動費として把握します。売上の変動でも影響しないのが固定費であり、売上によって変わるのが変動費となるのです。
損益分岐点を求める事で経費のバランスを考える事ができ、固定費を下げる場合や変動費を下げる場合の参考にするのです。
損益分岐点を求めるには=固定費÷(1-変動費÷売上)
損益分岐点>売上=赤字であり、損益分岐点<売上=黒字となります。
まとめ
飲食店開業における経費の扱い方は、開業する前であってもシミュレーションする事が出来ます。それによって、「目標の売上を上げるために固定費と変動費がいくらまで」と仮定出来るので、そのような体制を準備する事につながります。経費のバランスによっては、売上に影響する事も把握する必要があると言えます。
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