近年の中食需要の高まりとともに、テイクアウトやデリバリー向けの麺料理の人気が高まっています。特にテイクアウトでは、店舗で調理された直後の状態と、お客様の手元に届いた時の状態にはタイムラグがあるため、伸びやすさや食感の変化への対策が重要です。麺そのものの特性だけでなく、調理から包装、提供スタイルまでを一体的に設計することによって、冷めても食感を保ち、満足度の高い一品を実現することが可能となります。本記事では、テイクアウト向けに適した麺の種類、調理のポイント、実際の提供時に配慮すべき点について詳しく解説いたします。
目次
- テイクアウトで麺の質が変化する理由
- テイクアウトに適した麺の種類とは
- スープ別・ソース別の最適な提供スタイル
- まとめ
1. テイクアウトで麺の質が変化する理由
店舗で提供される麺料理は、出来立てをその場で味わうことを前提に設計されています。麺は茹でた直後がもっとも風味と食感に優れており、時間が経つにつれて水分を吸収し、のびたり、歯応えが弱くなったりすることが多くなります。特に高加水の麺は水分を保持しやすい反面、時間が経過すると柔らかくなりすぎる傾向があり、またソースやスープとあらかじめ和えられている場合、塩分や油分によってさらに食感が変わりやすくなります。テイクアウトではこうした変化を想定し、最初から少し硬めに茹でる、分離提供にする、油で軽くコーティングするなど、さまざまな工夫が必要となります。
2. テイクアウトに適した麺の種類とは
テイクアウトに向いている麺の代表例としては、中太〜太麺の多加水麺、あるいは低加水でもしっかりとしたコシのある乾燥系の中華麺が挙げられます。ラーメンであれば、ちぢれのないストレート系の麺よりも、表面積が多く絡みにくい中太のちぢれ麺が向いています。パスタであれば、生パスタよりも乾燥パスタのアルデンテに仕上げたものが時間経過に強く、提供後の食感が安定します。また、冷やし中華や焼きそば系のように、あらかじめ油で麺をコーティングしている料理は時間が経っても食感が劣化しにくいため、テイクアウトとの相性が良いとされています。
3. スープ別・ソース別の最適な提供スタイル
テイクアウト用麺料理の提供において、スープやソースとの組み合わせ方は非常に重要です。ラーメンやつけ麺のようにスープがある料理では、スープと麺を別容器で提供するスタイルが主流です。この方法により、麺がスープを吸ってのびてしまうのを防ぎ、食べる直前にベストな状態で味わっていただけます。焼きそばや油そばの場合は、あらかじめ麺にソースを絡める形で提供する場合でも、油分の割合を調整して麺がベタつかないように工夫する必要があります。パスタ系では、トマト系やクリーム系のように粘度の高いソースであればあらかじめ和えても比較的安定しますが、オイル系は分離しやすいため、別添で提供した方が美味しさを保ちやすくなります。提供スタイルの設計次第で、同じ料理でもお客様の満足度に大きな差が生まれるのです。
4. まとめ
テイクアウトはリピート率が高い販売形態でもあるため、一度の満足体験が次回の購入につながりやすいという特性を持っています。その意味でも、麺料理のテイクアウトでは「どうすれば美味しさが持続するか」という視点を持ち、調理オペレーションと包装方法の両面で戦略を立てることが、店舗の評価を大きく左右することになるのです。
菅野製麺所ではスープに合わせてオリジナルの麺を提供することも可能です。少量注文にも対応しておりますので、まずはサンプルからお試しください。開業を考えている、または新しいメニューを考えているというオーナー様と共に、麺を追求していきます。
株式会社菅野製麺所とカンノの麺をよろしくお願い致します。
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