生パスタのボロネーゼとミートソースの比較でわかる事

多くの人が、生パスタのボロネーゼとミートソースは、同じものだと思っていますが、おおむね間違いはありません。ですが、厳密に言うと違う見方もあります。もう一歩踏み込んで、それぞれの由来を知る事で、その背景を思い描いて料理を楽しんでみる事で、美味しさの要素に加わってくるかもしれません。

風景を感じるボロネーゼ

食の都イタリア北部のボローニャ地方の裕福層が、フランス料理の煮込み=ラグーから名前に使用されており、ラグー・ア・ラ・ボロネーゼとは、牛肉をベースにした赤ワインで煮込まれたソースの名称です。

イタリアでもパスタ料理に使用される事が多いので、材料を牛肉、パンチェッタ、タマネギ、ニンジン、セロリ、トマトペーストなどを、赤ワインで煮込むソースが定番となっています。

ボローニャ地方のパスタの特徴としては、タリアテッレと呼ばれている幅5~8mmのきしめん状に伸ばした生パスタの事で、中部イタリアでタリアテッレをフェットチーネと呼ばれる場合もあります。タリアテッレは軟質小麦粉で作り、フェットチーネは硬質小麦粉を卵でねったりもします。明確な定義づけは本場の人でも難しいようです。太さで違いを示す場合もあります。

ミートソースとは

名前の通り肉類をからめたソースの全般を表す総称なのですが、元々は日本の洋食料理から生まれたスパゲッティー料理の1つなのです。戦後のアメリカ進駐軍が日本に持ち込んだものとなっています。

日本人が洋食料理を独自にアレンジして、当時の食材を利用して作ったのがミートソース(スパゲッティー)なのです。その後は、同じように日本人に合わせたナポリタン(スパゲッティー)やカレー・スパゲッティーが独自に進化しました。

ミートソースには、炒めた野菜とひき肉を、トマト缶詰やケチャップを使って煮込んでミートソースを作ったのです。その後も決まったレシピはなく、その洋食店のシェフによって独創的なミートソースが作られました。

家族向けに作られる一般向けの味としては、少し甘めのソースに仕上げていました。ホテルのレストランでは、赤ワインやフォンドボー(仔牛の肉汁をブイヨンにしたもの)を使って、どちらかと言えばイタリア料理のボロネーゼに近かったようですが、パスタの種類としては、スパゲッティーが中心のパスタ料理だったのです。ホテルのメニューは、大人向けの料理といった味になっていました。

ボロネーゼとミートソースの違い

紹介したように、ボロネーズの料理は平麺パスタのタリアテッレも含めてボロネーズと言われています。ここ数十年の間に、パスタ料理は専門料理だけでなく一般的にも広く浸透していっています。これは、本格料理としての冷凍食品が数多く出回った事にも人気の高さがわかります。

しかし、専門店の料理は食材や調理方法にこだわり、ターゲットにもこだわって味やスタイルも最高の状態で、お客様に提供する事で満足してもらえることが目標なのです。ボロネーゼ以外のミートソースの種類にしても、材料やベースを組み替える事で、まったく異なるミートソースを生パスタの種類ごとに変えていくので、味わいや食感は無数に用意できるのです。

先ずは、生パスタ専門店でのラグー・ア・ラ・ボロネーゼを味わう事で、その美味しさの違いがわかるはずです。試す価値大いにありです。

まとめ

イタリア料理のボロネーゼと日本のミートソース(特にスパゲッティーの場合)は、大きな違いがありますが、美味しい料理を作る試みは基本的に変わらないのです。そのソースの由来や背景を感じる事で、あなたが味わう美味しさの1つに加わるはずです。ぜひ、その違いを試してみてはいかがでしょうか。

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