小麦粉事情から見る生パスタ

イタリアでは、日本の主食である米のようにパスタが毎日食されています。その特徴はモチモチとした食感ですが、そのコシや風味は小麦粉、卵、塩、水の割合を変えることで、ご家庭のソースに合わせて使い分けをされていることでしょう。その中でも、今回は小麦粉事情からみる生パスタについておとどけしましょう。

■日本とイタリアの小麦粉の違い

日本の小麦というと、強力粉・中力粉・薄力粉と分けられますが、それはタンパク質の含有量によって分類されています。

生パスタによく利用される強力粉は、硬質小麦から作る小麦粉で、タンパク質含量が11.5~13%と多く、粗い粒子でグルテン性質が強いです。

また、強力粉と混ぜて生パスタを作るのに薄力粉を使用することもありますが、薄力粉は硬質小麦でかなり細かく、タンパク質の量は8.5%以下です。

イタリアの00番に近いのは中力粉で、そのタンパク質は9%前後となっており、硬質小麦でやや細かいのが特徴です。

更に、精白度合い(灰分残有料)によっても分けられます。灰分とは、小麦を燃やした時に残る灰の量のことで、中心の胚乳に近いほど細かく精白されているいうことになります。日本でなじみのある小麦粉は灰分残有量0.4%の一等粉になります。

一方、イタリアでの小麦粉の分類法は精白度(日本の灰分含量)だけで行われており、挽き方が細かいものから粗いものへと分類され、その表記法は00番<0番<1番<2番となります。また、イタリアの灰分量は日本に比べて多いのも特徴です。

■デュラム・セモリナ

デュラムセモリナは、デュラムという小麦の品種から作られた小麦粉のことを指します。お米にコシヒカリやササニシキなどがあるのと同じように、小麦にも品種があるのです。また、セモリナとは挽き方の種類で胚乳を細かく粉砕せず、ザラメ状にする挽き方(粗挽き粉)のことをいいます。

ケーキなどに使用される小麦とは別の品種となり、パスタとして使用されることが特徴で、
デュラムセモリナは黄色(琥珀色)をしていることから、デュラムセモリナ100%のパスタは黄色になるのも納得です。

イタリアでは、パスタの種類によっても使う粉は変わってきますが、イタリアでは北部が00粉、南部がセモリナ小麦粉を使用することが多いそうです。

地域や家庭によって違いは出てきますが、00番をはじめとしてデュラムセモリナまでを組み合わせたり、そのままの粉を使用したりと、家庭の食感が味わえる生パスタは引き継がれていくのでしょう。

■まとめ

生パスタを作る際に、肝となるのが小麦粉は。小麦の種類によりモッチリ感、風味が変わってきます。配分次第で、お店オリジナルの生パスタを追及することも魅力ではありますが、理想を追及するには、時間もコストもかかることは理解しておく必要はあります。

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