HACCP基本技能検定について

HACCPとは、“H”azard“(危害)、“A”nalysis(分析)、“C”ritical(重要)、“C”ontrol(管理)、“P”oint(点)を略した言葉で、食品を製造する時に安全を確保するためにアメリカで構想された管理手法です。
HACCP基本技能検定とは、HACCPのシステムについての基本的な知識を認定する検定の事で、食品技能検定(食品技能検定1・2・3類)と共に受けて認定されれば、合格証と認定カードの発行、さらに食品技能検定スペシャリストの認定がもらえます。
まずHACCPとは何か、おおまかな仕組みについて説明しましょう。

HACCPのシステム

HACCPでは、原料から製造工程、運送、調理、などお客様の口に入るまでの全ての工程における、発生する恐れのある危害要因をあらかじめ分析し、その工程のどこで、どのような対策をすれば危害要因を管理(あるいは消滅、許容できるレベルまで減少)できるかを分析・検討し、その流れ(重要管理点)を設定します。
そして、それに対する管理基準・基準の測定法を定めて、測定したデータを記録します。これを継続して実施していくことが、製品の安全を確保するための科学的な衛生管理の方法となります。
これはコーデックス委員会(国際食品規格委員会、FAOとWHOの合同機関)から示されたもので、各国にその採用を推奨しています。

HACCPで運用管理する事

3つの危害要因(ハザード)である、生物的要因、科学的要因、物理的要因を主に2つの側面から管理します。
製造環境
「食品等事業者が実施すべき管理運営基準に関する指針(ガイドライン)」における第2食品取扱施設等における衛生管理の項目を管理する事です。
製造工程
原料等から持ち込まれる、3種類の危害要因を運用管理する手順・手法の構築する事です。調理、加工等さまざまな工程の中での基準値の設定根拠は客観的に証明されたものである事が必要となります。

まとめ

アメリカでは1997年、州を越えて取り引きされる水産食品、食肉・食鳥肉及びその加工品、果実、野菜飲料について、順次HACCPによる衛生管理を義務付けられました。その後、EU、アジアなど世界の多くの国で取り入れられています。
日本においては、特に国が食品を扱う全ての施設に対し、HACCPの2020年までの義務化を目指していますので、HACCP基本技能検定を食品技能検定と合わせて、ぜひとも取得しておきたいものです。