HACCP(ハサップ)の危害要因とは

HACCP(ハサップ)とはアメリカで始まった食品を取り扱う会社への食品の衛生に関する管理手法の事を指します。2020年までに全ての食品製造者、飲食店への義務化を厚生労働省は計画しています。しっかりとしたHACCPへの対応ができていないと、今まで運営できていても業務停止になることが考えられますので、しっかり内容を把握しておきましょう。
ここでは、HACCPの危害要因について説明します。

ハザードとリスク

ハザード(危害要因)とリスク(危害)には因果関係があるので、セットで理解しましょう。
ハザード(危害要因)とは、リスク(危害)が引き起こされた場合、深刻な結果をもたらす元になるものを指します。
具体的に危害要因と呼ばれるものに以下の3つがあります。

生物的な危害要因

病原細菌、腐敗細菌、ウイルス、寄生虫、コレラ菌など病原微生物。
化学的な危害要因
カビ毒など生物由来物質、添加物規格に適合しない食品添加物など。
物理的危害要因
金属片やネズミの死がいなどの異物混入。

危害要因分析の手順

危害要因を固定します。どこに危害要因が潜在的に考えられるか検討し、食品、工程、消費者別に分析します。
危害要因を評価します。リスク(危害)が起きる時を想定し、その起こりやすさと厳しさを設定します。
さらに、以下の手順を踏んでいきます。
例:食品に細菌Xという危害要因が潜んでいると仮定します。
→そのまま消費者へ渡った場合
消費者が感染症を引き起こす恐れ。
→ハザード(危害要因)がどのくらい起きやすいか
食品、あるいは原材料内に残る、あるいは発生する確率はどのくらいあるのか考えます。
→そのハザードをHACCP計画で取り扱う必要は考えられる?
それが起きた場合の重要性を想定します。
したがって、リスクが起きる可能性が高くとも、その影響が極めて軽微である場合には、HACCPの計画には入らない可能性があります。そして、食品が大人向けであるか、子ども・乳幼児向けのものであるかによってリスクも違います。
そのため、それをハザードと設定する(危害要因の固定)かどうか、コントロールすべきものであるか(危害要因の評価)によっても計画は異なってくるわけです。

まとめ

HACCPにおけるハザード(危険要因)そしてリスク(危害)の関係はご理解いただけたでしょうか。原材料から製造加工処理といった作業環境から運送、実店舗での販売まで、それぞれの個所で危害を想定して危険要因を除去していくという計画が求められています。