HACCPを取得する!作業手順書の必須ポイント

食品の安全管理を徹底する動きが世界で広まっています。2020年までに食品を扱う全ての企業へHACCPを義務付けようという動きが国で進められているようです。
HACCPを取得するためには、SOPとSSOPという作業手順書の作成が必要になってきます。ここではそのためのポイントについて説明したいと思います。

【SOPとSSOP】

・SOP(Standard Operating Procedure)=標準作業手順書
いつ、どこで、誰が、何を、どのようにすべきかをマニュアル化します。
・SSOP(Sanitation Standard Operating Procedure)=衛生標準作業手順書
SOPの手順書から特に殺菌作業や洗浄作業といった汚染防止対策についてさらに具体的にマニュアル化したものがSSOPです。

【作るだけでは意味が無い!】

たとえ作業手順書を作成しても、それは本当に実施できるものでしょうか?
上の立場の者が1人で作ってしまっても、ほかの働く者が読んだときに作業手順書の意図や各作業への理解にばらつきがあるようでは意味がありません。皆で考えたり、場合によっては専門家に意見を聞いたりしながら作成することで完成させるということが大事です。

【FDAにおけるSSOPとは】

前述の作るだけでは意味がない、ということをもう少し説明するとたとえばアメリカ政府で食品や薬品を扱うFDA(保険・福祉省に属する政府機関)によるSSOPの定義では、

・文書を作成すること
・モニタリングをすること
・モニタリングの結果を記録すること
・問題発生時の対処について記録すること

があげられます。その過程や結果も詳しく管理するということによって、ただ作るだけではなく、それをずっと運用していくということが求められています。

【作成のためのポイント】

・問題点の明確化
業務の中でどこに問題があるのか、特にどういうことを改善したいのか。そしてそれらの範囲はどこまで及ぶのか。その企業の現場に合わせた指標が必要になります。

・職務別に手順書を作成
その現場別に作業が違うのであればその分だけ作業手順書が必要になります。

・その業務フロー(流れ)に合った作成
その業務の細かさによってステップが多いかどうか、判断する個所が多いかどうかによってマニュアルの表も臨機応変にわかりやすく作成しましょう。

・作業手順書を作成する前にベストな作業のあり方をイメージしておく
現場で長年働いてきた熟練者の方がそこに合った、しかも効率が一番良い方法を知っていることがあります。ネットでの情報より優れていることもありますので臨機応変に対応しましょう。それらを総合的に判断したベストな状態が事前にイメージできていないと、いざ作業手順書を作っても無理が発生することがあります。

【まとめ】

企業が一丸となってSOP、SSOPによって食品取り扱い環境を管理することによって確実な衛生管理が可能となり、HACCPを取得するのにも大変大事なステップになりますので、ポイントを抑えながらしっかりと作成しましょう。