野菜や魚介類など具だくさんの「ちゃんぽん」は、認知度が高い麺料理と言えます。しかしラーメンや焼きそばとは違う麺が使われており、それを説明できる方は少ないのではないでしょうか。この記事ではちゃんぽん麺と中華麺の違いについて解説します。
中華麺の定義
中華麺の定義は、生めん類の表示に関する公正競争規約で規定されています。規約の内容をわかりやすく言うと、小麦粉にかんすい(唐灰汁=トウアクを含む)を加えて製めんしたもの。その種類はラーメン・焼そば・ちゃんぽん・沖縄そばも含まれます。
「うどん・そうめん」は小麦粉に水を加えて製めんし、そば粉30%以上を含む「そば」も同様に水で練り上げます。中華麺は水ではなく「かんすい」を使用するのが特徴になります。「かんすい」とはどのようなものか、次の章で詳しく見ていきましょう。
かんすい
食品添加物である「アルカリ塩水溶液」の総称で、小麦粉に混ぜることで特有の風味や食感が生まれます。モンゴルの塩湖のアルカリ塩水=鹹水(かんすい)を使った製麺法が、名前の由来とされています。イカの干物を生に近い状態に戻すときにも使われます。
かつては、工業用の苛性ソーダや洗濯ソーダなどを原料とした粗悪なものが出回りました。現在では日本食品添加物協会の認証を受けたものが販売されています。炭酸ナトリウムを主成分とした固形かんすいや、炭酸カリウムを主成分とした液体かんすいなどがあります。
唐灰汁(トウアク)
長崎ちゃんぽん麺に使われる唐灰汁は、かんすいの一種で日本独自の呼称です。炭酸ナトリウムの割合が約9割を占めており、人工的に調合された薬品として扱われています。そのため製造には特殊免許が必要で、長崎市内の3軒のみで生産されています。
「ちゃんぽん」という名前
ちゃんぽんは中華麺の一種の名称ですが、「長崎ちゃんぽん」と表示できるのは長崎県内で製造された唐灰汁を使用したものと定められています。諸説ありますが「混ぜる」という言葉が語源で、沖縄料理やインドネシア料理の「チャンプル」と同様とされています。
最後に「長崎ちゃんぽん」の由来についても触れておきましょう。鎖国時代に独特の文化が生まれた長崎・出島には、明治時代中期になって多くの中国人留学生が訪れました。彼らに安くて栄養価の高い食事をと、中華料理店の店主が考案した麺料理と言われています。
ラーメンとは違う調理法
ちゃんぽんの特徴である大量の野菜と魚介類を炒めてから、麺とスープを加えて煮込みます。麺に野菜や魚介類の煮汁を吸わせるのが、ラーメンとは違う調理法です。そのため煮崩れしない弾力のある太麺になっています。
まとめ
ちゃんぽん麺と中華麺の違いは「かんすい」の違いだと解説してきました。本場、長崎の唐灰汁を使用せずとも、具だくさんの栄養価が高い麺料理として全国各地で愛されています。独特な調理法に合った麺選びが、ちゃんぽんの味の決め手と言っても過言ではありません。
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